Ψ 言霊の宿木 Ψ

過去ログ3454 2010/2/28 4:14

唐ノゃむこ
迷子と迷子

雲の下 水の上
浮かぶ裏庭 小島の赤い花
古い門の錆びた鍵は始めて夢を終えようとして
だからあの娘は震えてる
一人ぽっちになるのは
恐いことだから。
あなたがあんまり
そのお庭から遠く離れて
振り返ってもかげさえ見えなくなって
あなたも寂しくて泣いて。
久しくあなたは泣いている。
涙は河になった
木の船もあった、もと来た道にむかって。
迷子が家を恋しむように、
あなたは庭で
撫でられるのを心待ちにして
それでも座ったまま。
だからあの娘も泣いて、あなたも泣いて、
さみしいの 。

2/28 4:14

悼倹ッ詩人
夜に降る霧雨



雨で路面が濡れて


夜露に街灯が反射して


高速道路を走る車の音が聞こえる




湿った空気に音はよく溶け込んで



遥か 彼方からの音が聞こえてくる




異国の街の


繁華街の喧騒


雑踏に紛れ込んだ


母を呼ぶ子猫の泣き声




夜行列車の枕木を叩く音



フランスの車のクラクション


汲み上げた井戸の滑車のきしむ音


夜中のパトロールカー





食器を洗う音


階段を上がる靴音



夜中の ただいま



日本時間 深夜4時






もうすぐジェット機のエンジン点火音が聞こえるはずだ



日本人の朝がもうすぐ始まる




2/28 4:05

唐ノゃむこ
言葉

なにもいわないで
だまっていて
裸の肌を窓にあてて
冷たさが消えてゆくのを感じるみたいに
胸の熱は、そう。
だから
なにもいわないで

2/28 1:55

唐ノゃむこ
オリジナル

縞馬の代わりに縞馬模様の白馬
豹の代わりに豹柄のライオン
人の代わりに理詰めの猿
街を静かに闊歩する。
彼らの世である。

いま棚を開けて
マーマレード入りのガラス容器にラベルを貼り給え
「瓶。食べるべからず」
と。
卵を取って書き給え
「殻。食べるべからず」

言葉に気をつけて
思い、目をこらさねば
私のラベル作業は間違うことになる。

子供ではなく
あなたの子の2つの目を
彼氏でも彼女でもなく
あなたの恋人のその胸を
見つめろ 触れろ
一つになるほどひしと
抱きしめろ

 
いななけ サバンナに縞馬 
吠えろ 林に豹
思え 大地に人は
ときにラベルを剥がし
無地のケイオス眺めつつ

2/28 1:35

投M鸞
タイトル
黄金と銅はトライアングル


バラモンは睨みをきかせ





その階段を下れば罰にあたる。


下ってはいけない。絶対に。


石でできたメドゥーサがあなたを石のようにしてしまうから。


ゴミ箱に溢れたゴミは


結局はゴミ。


光が迸る。


瞬きの必要なんてない。


最後に


黒と白の混じり合った皇帝が世界を支配する。


神とはなにか?
世界とはなにか?
力とはなにか?


全ての問いを無意味にさせる力を持つ


そう、問い自体に意味をなさない事だと


確実に知り得る最高の瞬間。


いかに、土くれが無意味であるのかを


最も低い次元で知り得る


虚しい瞬間。
2/28 1:31

投M鸞
張りぼて
石でできた斧は不様さを表す。


鉄でできた斧は見栄を表す。


その程度の差。


ある時、一粒のダイヤモンドが降ってくる。


いたいけな子供が拾わずに川に捨てる


そこから龍が昇り


空へと還る。


繰り返される、過ち。


黄金が土から生まれ


皆歓喜に湧く。


土くれが狂乱する頃


虚しさが襲う。


愚かさを実感してもなにも出来ない。


それが


あの塔の本質。
2/28 1:17

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