Ψ 言霊の宿木 Ψ

過去ログ3610 2011/4/24 3:29

唐艪驍ア
6月思春期
紫陽花には毒があるんだって
教えてくれた子は雨に溶けたんだ
溢れるくらいの言葉を抱えて
水面下に沈んでいったんだ


* * *


凡庸に
出来過ぎた歌を雫に投影させていた
空白の時間
瞬きは何度も繰り返され、膜は何度も更新された

酷く紫が臭う
とめどない初夏に輸血を
泥が体を沈めてゆく
忘れそうな感覚が肌を潤す

あの子が睫毛を光らせながら
空に手をかざしていたのは雨上がりの午後
湿り気を帯びたのは指先と
笑顔で発する言葉だけだった


* * *


欠伸をしたような声で鳴いた蛙
夕日に反射する水溜まりのいやらしさ
総て含んで君に
吹き掛けたくて、僕はたつ

焼けた中に輝けるように


紫陽花には毒があるんだって
教えてくれた子は雨に溶けたんだ
溢れるくらいの言葉を抱えて
水面下に沈んでいったんだ

沈んでいったんだ
4/24 3:29
HP

痘H幻 暮芭
少年と少女

少年は空を仰いだ。
赤いシャツに雨粒が染みた。
少女は地に俯いた。
青いブラウスが風にはためいた。

「何処に行こうか」
「何処にも行けないよ」

「でも行かなくちゃ」
「でも行けないもの」

二人は歩いた。同じ歩調で違うものを見ながら、

何処かに行くつもりで進んで
何処にも行かないつもりで止まって

やがて それと知らぬまま
二人は反転する。

少女は空を仰いだ。
赤いスカートが風に揺らいだ。
少年は地に俯いた。
青いズボンに泥が跳ねた。

「此処は何処かな」
「此処は何処でもないよ」

「でも此処に私は居る」
「でも此処には居られない」

二人は止まる。
同じ歩調で違うものを聞きながら

此処に居ようとして止まって
此処に居まいとして進んで

やがて どちらともなく
二人は歩きだす。

「其処に行けるかな」
「其処には行けないよ」

二人の足跡は 延々と続いた
二人の足跡は 次々に消えた

時間は総てを創り上げながら
総てを失くしてゆく


[今日の空模様は?]
土砂降り
4/23 22:14

搭木与女
変化
月が欠ける前に
歯が欠けてしまった

告白する前に
気が変わってしまった
せっかくだから
生きている間は
楽しく考えよう
[今日の空模様は?]
雨ですかね……
4/23 16:20

搭木 綿雪
女性

月が欠けているのはね、
夜の街に月の欠片が落ちて粉々になってしまったからなんだよ。
落ちた月の粒が光っているから、
夜、目を開けていても閉じていても見えるんだ。


月が欠けているのはね、
月に住むうさぎがストレス解消のためにきねでガンガン月を内側から叩いてるからなんだよ。
だからクレーターもあるのさ。
[今日の空模様は?]
灰色(でしたねぇ…)
4/23 0:48
HP

灯憂
女性
逆らえぬのなら
逆らえぬ宿命ならどうすればいい?
抗えぬ苦しみは、受け入れるだけ?

全て仕組まれた罠と陰謀の渦の中で
ただ一人、篭の鳥を演じていただけ
飛び立つ術は、もう知っていたはず
旅立つ勇気も、もう持っていたはず

キミは冷ややかな目つきで僕を見て
僕はもう全部を悟ってしまったから

これから、どうすればいいんだって
自問自答したのに答えはなく無言で
冷えきった部屋の中に外の風だけが
ただただ、冷たく冷たく感じたんだ

逆らえぬ宿命、抗えぬ苦しみと運命
何故と聴いても誰も答えてくれない

仕組まれた人生だと君が言うならば
仕組まれたように生きればいいんだ


敷かれたレールの上、言い訳を乗せて

さあ何処まで行こうか
4/22 0:52
HP

塔Nルミンシタ
11聖木曜日
  
あれやこれやを
あれやこれやと
あれやこれやを

見えるのはつむじだけ
その風はつむじ風

を一掃する
冷たい風を

目を覚ます

まぶたに
ひんやりと
暖かな

風よ

.
[今日の空模様は?]
なんだっけ・・
4/21 22:09
HP

36113609

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